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2014年1月17日金曜日

 「海の上のピアニスト(THE LEGEND OF 1900)」から「The Crisis」

10:58 Posted by どぼん , 2 comments
「海の上のピアニスト(THE LEGEND OF 1900)」から「The Crisis」


「海の上のピアニスト」、ぼくは小説の方をよみました。映画をみない、小説も読まない、文化的教養にとぼしい僕の印象に残っている物語の一つです。ストーリーも考えるところがあるし、音楽も優しい曲が多くて美しいのが印象に残っています。

物語を一言でいえば、船の上で生まれ育ち、船とともに消えてゆく”超”天才ピアニストの物語。

あるとき、彼も一度だけ陸に上がろうとします。しかしタラップを降りる寸前、目の前に広がる陸の世界に何かを見つけた彼は立ち尽くし、やがて船のなかへ引き返してしまう。この物語の語り部である親友がなぜ降りなかったのかと尋ねると、「二度と船は降りない」という。船とともに生まれ育った、陸に上がったことのない彼が見た陸の世界とはなんだったのか・・・・・・。

「なぜ彼が船を降りられなかったのか」という問いは、この映画の重大な問いです。単純に「彼が弱かったから」と考えることもできますが、ぼくは反対に、普通の人びとはそれだけの膨大な選択肢に直面していないか、見て見ぬふりをしているということなのではないかと思います。それは、わたしたちの世界(彼のいう”陸の世界”、無限の鍵盤)と、彼自身の船の世界(88の鍵盤)の隔たりを示すと同時に、新しい世界に対峙した人だけが受ける衝撃なのではないかと思います。彼が人生を全うできないと気づいてしまった”わたしたちの世界”とは、いったいどんな世界なのでしょう?彼の視点に立つと、また違ったメッセージが見えてくる気がします。


映画紹介なんて恐れ多いことができるはずもなく、これ以上はネタバレになるのでこの辺で。

2 件のコメント:

  1. 見事に引き込まれましたよ、美しい曲に だけじゃなくてどヴぉんさんの文章に。
    どヴぉんさん文才もあるから、困っちゃいますね~この映画も気になっちゃって…
     知らなかったです「海の上のピアニスト」。(またもや無知を発揮
    映画紹介、完璧すぎでしょう!曲と かなりマッチしてて
    まさか! 読むスピードと曲の長さまで計算されているのか!(誰

    とても考えさせられる物語ですね。
    身近な脅威に気づくことなく生活するものもいれば、気づいていても脅威と認めない、あるいは脅威ではないと決めつけることもあるでしょうし
    人によっては脅威ではなくなることもある。人それぞれ、立場が違えば感じ方ももちろん変わってきますものね。
    目の前に広がるあちらの世界に行けば、最初は戸惑っても、なじめる可能性は十二分にある
    けれども、もとの立ち位置に戻ったとき、以前と同じような自分でいられるかと考えたなら、きっとそうはいかない。
    難しいですね。 一体、彼はどんな思いで陸の世界を見ていたのでしょう!気になるーー

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  2. この曲に引きこまれて下さっただけで十分です! 日記は、喋るように勢いだけで書いているので(笑)

    >>身近な脅威に気づくことなく生活するものもいれば、……
    そうですね。自分自身の存在価値自体を揺るがすような衝撃に直面したとき、主人公のように未来を放棄してゆくか、その衝撃に刃向かうかするしかない気がします。それになにより、「なんでもできる」という自由の苦痛というものもあるでしょうし。

    是非、映画か小説(白水Uブックスのものがあります。海外文学コーナーにあるかと思います)をご覧になってみてください!

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