本読み、音楽、アニメ、ゲームなど……じぶんのためのメモ的なものを、気まぐれに載せています。

2014年9月9日火曜日

「お茶が運ばれてくるまでに」「ブラウン神父の秘密」

1:00 Posted by どぼん , 4 comments

08/31 : 時雨沢恵一「お茶が運ばれてくるまでに」

あなたはイスに座って、
ウェイターが注文を取りにきました。

あなたは一番好きなお茶を頼んで、
そして、この本を開きました。

お茶が運ばれてくるまでの、
本のひととき――
◆淡く優しい水彩の挿絵とともに語られる小さな物語。優しさのなかに、大切な問いかけが隠されています。大人なら「短い本だな、すぐ読んじゃったよ」と片付けるかもしれないけれど、子どもならそのなかにまた違った驚きを見出すかもしれない。ちいさな子どもに読んでほしい一冊。

◆「お茶が運ばれてくるまでに」読むはずが、喫茶店に行く途中の地下鉄のなかで読み終わってしまいましたが、何度見ても素敵な挿絵。


* 個人的お気に入り *
「ばけもの」:ばけものとは何者か?
「みため」:読みながら、”悲しくみえるのに、本人は悲しくない状況”などを想像していました。

09/07 : G. K. チェスタトン「ブラウン神父の秘密」

 チェイスは、たったひとりの相手と話しているのに、百人の殺人犯を相手にしているような気がした。鬼の眼はそこはかとなく鬼気を漂わせているような気がするのである。 [...] 殺人犯の亡霊どものようなその黒い影のむらがりは、獄舎につながれてでもいるように、ストーブの赤い鬼火の魔法の圏内から抜け出すことはできぬが、それでも折あらば主人の鬼に躍りかかって八つ裂きにしようという身がまえで、いつまでもうごめいていた。 (本書より「フランボウの秘密」, p. 272)
◆透き通った眼、小柄で丸い体、大きな黒い帽子と黒い蝙蝠傘をもち、神父といえば真っ先にイメージする真っ黒な上着。およそ殺人事件に立ち向かう人間には見えないいでたちです。どうしてブラウン神父というカトリックの司祭が、殺人事件をすらすらと解決できるのか。ブラウン神父の人びとの罪に対するまなざし、そして著者の思想が読み取れる一冊。誰よりも罪の身近さを理解しながら、誰よりもそれを御する力をもつブラウン神父。今作も脱帽です。

◆ブラウン神父シリーズを読むのは「童心」に続いて2作目ですが、最初に驚いたのは、ブラウン神父が犯人がやすやすと逃がしていることです。その罪をすべて認識しながら、その裁きを法に託すということをしないのです。そもそも、この本では犯人を警察に引き渡した話が一つもありません。◆殺人者の心理を内面に映すことで推理し、ふつうの人びとが許さないであろう本当の罪を心から理解する。そのうえで許し、認める。そんな彼が、「あなたがたが人を許すのは、許すほどのことが何もないからなのだ (p. 266)」というのは、本当の罪を知ったとたんに手の平を返す人たちに対する強烈な言葉。まさしくブラウン神父の秘密が詰まった一冊です。

4 件のコメント:

  1. 「お茶が運ばれてくるまでに」
    すぐ読み終えることができる本なのですね。素敵な挿絵つきで、ざわつく心を落ち着かせたいとき、活躍してくれそう。何度も何度も同じ本を読んじゃう私には、ぴったりかも♪ 最近、集中力が…とお悩みのどヴぉんさん、心配ですよ。あまり無理しないようにしてくださいね。

    「ブラウン神父の秘密」
    いや~読んでないです!推理小説大好きなんですけど、ブラウン神父まだでした。思いだしてみるものの、やっぱり一話も読んだことないような…私損してますね…(意味不明 あ~読みたい。 個人的な好みですが、世間一般の正義だからとか国の法律で決まっているからといったことよりも、自分の中の正義や一線に重きを置くタイプ、好きなんです。ブラウン神父の場合、もっともっと奥が深そうですが、その点でもすごくひかれますね。

    またまた素敵な本を紹介してくださって、ありがとうございます♪

    あ、私あまり大したコメントできていないので、返信は気にしないでくださいね(´∀`) いつもどヴぉんさん やさしいコメント&ためになる話をしてくださるので、返信なくても平気です☆ 無理をなさらないで、お疲れのときは、どっぷり趣味に浸るなりして、疲れをとってくださいね~

    返信削除
    返信
    1. 「お茶が運ばれてくるまでに」は、その気になればほんとうにあっという間に読み終わりますね。でも、子どもにじっくり読ませたいなと思えるような本ですね。
      推理小説がお好きだとプロフィールにお書きになっていた気がしますが、「ブラウン神父」シリーズはちょっと変わった小説なのではないかな……と思っています(推理小説あまり読んでこなかったので断言はできません^^;)。罪に対して法の裁きに託すという考え方もあり得ますが、それだけでは割り切れない部分が必ずあるわけですよね。推理小説は、St' さんにいろいろ教えて頂けたら嬉しいところですね(^^)

      こうして返信させて頂くのも休息になるのですけど、お言葉に甘えて、無理なく、時間のあるときにゆっくり返信させて頂きたいと思います m(__)m

      削除
  2. 覚えてくださっていてうれしいです♪推理小説好きだとプロフィールに書いたと記憶してます。なのにぃい、ブラウン神父読んでないって(゚∀゚)エッ どんな言い訳すりゃいいんでしょう…笑

    どヴぉんさんには すごく素晴らしいいろいろを教えてもらっているのに 私はどうもだめです。推理小説もどうなのでしょう、不安です…笑 何か情報を提供できればいいのですけど…もんっのすごくほしくて買ったのにいまだ読み始めていない推理小説とか、気になって気になって買ったのに未開封のままの推理ドラマのDVDとか、きっと、私が読んだり見たりするよりもまず、どヴぉんさんにお渡ししたほうが何かと早く進むような気がします。(責任放棄の一種

    最近は少し過ごしやすくなってきました、というかもう寒くなってきています。どヴぉんさんが日々心地よく過ごせていますように。

    返信削除
    返信
    1. いえいえ、好きだからすべてに詳しくないといけないというのはあまりに窮屈ですし、そんな必要はないと思います。でも、ブラウン神父シリーズというのはそれだけ有名だということでしょうか。

      読んでいない本、未開封のDVD、文化人の積読を想像してしまいますね。

      寒いです! が、ぼくにとっては過ごしやすくなってきたということでもあるので大喜びです。St' さんにとってもよい季節になりますように。

      削除

ご訪問ありがとうございます。コメントの投稿はこちらからお願い致します。